7月20日の旧統一教会主催の礼拝会場として富岩運河環水公園の利用することを富山県が許可したことについて、被害者救済にあたってきた弁護団が16日、許可の取り消しを求める申し入れを行いました。弁護団の山口広弁護士は「驚きと同時にがっかりした」と話しました。
旧統一教会主催のイベントをめぐって被害者救済にあたってきた弁護団は16日、新田知事に申し入れ書を送付したと発表しました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「数年前の答弁では明らかに否定的な対応をするという前提で答弁されているにもかかわらず、今回については開き直っているのかと。私どもとしては非常に驚きと同時にがっかりしました」

富山県が旧統一教会に利用許可を出したのは、県が管理する富山市の富岩運河環水公園の野外劇場で、今月20日に教団の礼拝イベントとして利用されることになっています。

旧統一教会を巡っては高額献金などが問題となり、ことし3月に東京地裁が解散命令を出しました。これに対し、教団側が即時抗告していました。
今月9日、県が利用許可を出したことについて新田知事は次のように語りました。
富山県 新田八朗知事
「地方自治法においてはですね、正当な理由がない限り住民が公の施設を利用することを拒んではならないということも書いてあります。それから、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取り扱いをしてはならないということも書いてあります」

このほか、憲法では集会の自由も保障されているとし、許可を出したと述べました。
弁護団は、県の施設を教団の宗教的儀式の場として使用することを許可する行為は、憲法上の政教分離の原則に反すると主張し「県民の安心安全な生活を保護すべき知事の任務に反する行為」だとして宗教儀式の正体に気づかず参加した市民が違法な勧誘や献金の被害を被った場合の責任を問いかけ、公園の使用許可を取り消すよう強く求めています。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「新田さんの今の立場から考えても、許可は間違っていたから取り消しますと言っても、むしろ県民の皆さんは『よかった』と思う人がほとんど。筋を通して、許可を取り消すべきと強く思っている」