〝ジーニアス〟と呼ばれサッカー日本代表でも活躍した柿谷曜一朗(35)が鹿島アントラーズのエース・鈴木優磨(29)とTBSのサッカー番組「KICK OFF!J」の企画としてスペシャル対談。9シーズンぶりの優勝へ「鹿島に全部注ぎ込みたい」と話す鈴木。柿谷と現代サッカーについて語り、共鳴し合った。

柿谷曜一朗:鈴木優磨選手にインタビューということで過去にどんなインタビューをされているか見ようと思ったんですけど、出てこなくて・・・(インタビューを)しないんですよね?

鈴木優磨:しないですね。

柿谷:今回はなんで受けてくれたのかなと思って。

鈴木:僕の方こそ話を聞きたかったので。

柿谷:ゴール前で点を取る、点を取るために俺にボールを渡せっていうイメージだったんですけど、チャンスメイクにもかなり重きを置いているように見えるんですけど、その辺はどうですか?

鈴木:ベルギーに行く前は自分としてもストライカーだと思っていた。柿谷さんも分かると思うんですけど、僕より大きくて僕より点が取れて、僕より強い選手が(海外には)たくさんいるので、ストライカーだけでは勝負できないと思って、色々と出来るようになっていかないと勝てないなという風に思って、万能じゃないですけどそっちになっていったかなと思います。

海外移籍での変化やプレーだけでなく、柿谷さんには気になっていたことが。

柿谷:情熱的なプレーや感情的なプレーだけじゃなくて人間的な魅力って鈴木選手の良いところだと思うし、相手に詰め寄るシーンとか、試合になると人が変わってしまうのか、試合だからそういう鈴木優磨を演じているのか、そこをちょっと聞きたいと思って。

鈴木:両方あって、演じている部分もあるし、相手のセンターバックが日本だと真面目で、ちょっかいとか出してこない選手が多くて、試合をしていると気持ちの持って行き方がすごく難しくて、全然自分の良さが出せないで終わった試合が結構あって、自分が悪いんですけど、きっかけを作りに行ったりっていうのは多少あるかもしれない。

柿谷:自分の土俵に持ってくるために、あえて相手にちょっかいをかけたり?

鈴木:そうですね。

柿谷:僕はそれが出来なかったんですよ。後で削られるのがすごく嫌で怖かった。それこそ強く来てくれたら、ファウルをもらえてチャンスになったり、それこそ相手にイエローカードが出たり、だからそこまで自分のことをコントロールしながら試合に臨めているのが僕からしたらちょっと考えられないし、すごいなと思ってみていて、きょう絶対に聞きたかったんですよ。よかったです。多少演じておいてくれて。

鈴木:そうですね。

柿谷:いつからですか?

鈴木:自分のポジションに金崎夢生君(※約2年半チームメート)、強烈な選手がいて、ボールを出さなかったらキレ散らかして、ガツガツ行くし、それでチームに火が付いた。感情を出すのは全部が全部悪いことではないっていうのを自分も感じ取って、ちょっと良くない部分もだいぶ似ちゃったなという風に思います。

柿谷:誰かに気を使ってプレーしてはいけないということを強く、僕も夢生君から教えてもらったと思うし、今の鈴木選手を作ったのはそういう先輩に出会えたからというところもありますよね。

鈴木:大きいなと思います。