最も早い梅雨明けから2週間が過ぎ、連日、猛暑が続いています。例年なら梅雨が明けるころに聞こえてくるのが、“セミの大合唱”ですが、「ことしはまだ鳴き声が聞こえない」と気になっている人もいるようです。セミの世界に異変が起きていると思いきや専門家は「人間の思い込み」と指摘します。

統計史上、最も早い6月末の梅雨明けから2週間。県内各地は、危険な暑さが続いています。すでに夏本番。そして夏に欠かせないのが、セミの声です。

例年、梅雨明けのころにはうるさいほどの「セミの大合唱」のはずですが…。

広島市民
「セミの鳴き声は聞いてないです」
「暑さでセミもどうしようかと迷っている」
「最近ようやく鳴き始めたなって感じがします」

抜け殻はいくつか見つかりましたが、鳴いているセミはまだ少ないようです。

連日の猛暑でセミの世界にも異変が起きたのでしょうか。広島市の「こんちゅう館」を訪ねました。

広島市森林公園こんちゅう館の内田隼人さんは「セミが鳴かない」と感じるのは梅雨明けが早かったことが影響していると考えています。

広島市森林公園こんちゅう館 内田隼人 技師
「梅雨が明けて、暑くなったらセミが鳴き始める印象があると思いますが、ことしは梅雨明けが特に早くて、暑くなるのが早かった。でもセミ自体は出てくる時期は変わらないので、そこにギャップが生じていると思います」

気象庁の調査では、広島のアブラゼミの鳴き始めは平均で「7月10日」。平年では梅雨明けはそのあとになりますが、ことしは6月末に明けたため、夏本番は来たのにセミが鳴かないと感じる“人間の思い込み”が関係したようです。

広島市森林公園こんちゅう館 内田隼人 技師
「あと1週間すれば、おそらくにぎやかになると思うので、今皆さんがとても気にしてくださってるセミの到来を、ぜひ楽しみに待ってほしいなと思います」

羽化のタイミングは、雨の降り方や羽化する前の年の気温、土の中にいるときの幼虫の栄養状態などが関係しているそうです。セミの幼虫たちが続々と羽化する日はまもなくやってきます。