■運営しているのはどこの国?謎の裏には「SHEIN」の戦略が…

突然現れたファストファッションの新星。どこの国の企業が運営しているのでしょうか。ホームページを見ると、会社の所在地はシンガポールとなっていますが、海外メディアは…

米CNN
「中国の謎のファッションアプリ」

米フォーブス
「中国の謎のファストファッション企業」

“中国発の企業”だと報じています。実際、オープン初日のショールームには、中国の国営中央テレビの記者の姿もありました。



中国中央テレビの記者
「新しいお店に行列ができています。それが“中国発”のブランドSHEINです」

お膝元であり世界のビッグマーケットでもある中国での知名度はというと…

北京市民
「知らないです。聞いたことはないです」「知らない」

日本では中国発の企業とあまり知られておらず、中国ではそもそも知られていない。一体なぜなのでしょうか。

中国の経済に詳しいジャーナリスト 浦上早苗 氏
「もともとは2008年に中国の南京で創業された企業です。中国内では消費者向けのビジネスを展開せず、北米に振り切って北米で成長してきた。“メイドインチャイナ”には、まだまだ良いイメージがない。あえて出したくないということもあると思う」

■ブランドの模倣品トラブルや労働環境の悪さ指摘する報道も…

製造拠点を中国に集約することで、低価格を実現しているというSHEIN。猛烈なペースで新作を発表する中で、有名ブランドの模倣品トラブルも報じられています。


さらに、SHEINに商品を供給する工場に潜入取材したイギリスのテレビ局は、低賃金での長時間労働や、ミスをした労働者が多額の罰金を求められている、などと報道。

SHEINは、先ほど私たちの取材に対し「労働者に公正な賃金が支払われること保証している」として、報道を一部否定した上で「2か所のサプライヤー施設で、許容できない労働条件が存在したという主張について、調査を開始した」と明らかにしました。



非上場で公開情報も少ないSHEIN。今後の課題は…

中国の経済に詳しいジャーナリスト 浦上氏
「中国と米国の関係や、上場にあたってコンプライアンスなど厳しく問われるようになる。『労働環境が悪いのでは』『大量生産で環境に配慮していないのでは』というのはすでに言われている。SHEINはそれに対してこたえていかないといけない」