トラックなどの大型車による巻き込み事故は重大な死亡事故に繋がる可能性が極めて高くなります。
そうした中、AIを使った最新のカメラを搭載して巻き込み事故を防ごうという取り組みが全国的に広がりをみせています。

6月20日、仙台市内の国道交差点で起きたひき逃げ死亡事故。大型トラックが左折した際に、道路を横断していた自転車を巻き込んだとされています。

警察によりますと、この大型トラックには、左折時に危険を知らせる安全装置がついていなったことが新たに分かりました。

愛知県に本社がある運送会社トランコムの大型トラックです。

このトラックには、車体の左側に最新式のAIカメラ=「A‐CAM(えーかむ)」が装着されています。

カメラを開発した東海クラリオン 小堀雄樹マーケティングマネージャー:
「本当に危険の対象である人と自転車とバイク、この形や動きを(AIに)学習させていますのでそういった対象だけを検知してドライバーに通知することができる」

実際にカメラの機能を実験した映像です。

トラックの横を自転車が走っています。自転車が近づくと…音警告音がなりました。

また、モニターや車内につけられたインジケーターに赤の表示が出てドライバーに危険を知らせるようになっています。

カメラを開発した東海クラリオン 小堀雄樹マーケティングマネージャー:
「ドライバーが左折をする際は右をみることもあれば、後ろも見なければならない。目を離した瞬間もこのカメラが補助して、危険なところに人や自転車、バイクがいても通知してくれる」

このカメラは、車両の左側を広範囲(縦15m、横5m)にわたり映し出すことができます。

ドライバー:
「交差点で停まっていて相手も停まって渡ろうとしていると見えるが、自転車やバイクで走ってきたときに同時進行になるので、そこが一番気をつかう(A‐CAMは)目でみて音でも確認できる」

県警のまとめによりますと、2025年1月から6月末まで左折時に発生したとみられる事故は、119件あり、そのうち2件は死亡事故。

どちらも大型トラックによる交差点での巻き込み事故でした。

カメラを開発した東海クラリオン 小堀雄樹マーケティングマネージャー:
「全国こうした機器が普及することで、痛ましく起きている巻き込み事故が1件でも減らすことができる」

国土交通省は、2022年5月以降、新型車として販売する車両総重量8t以上の大型トラックには、左折巻き込み防止装置の設置を義務付けています。

目視だけでは死角が多く、安全確認に限界がある中、AIカメラなどによって事故を未然に防ぐ対策が必要になっています。