夏の高校野球は、きょう(10日)香川大会が開幕し、岡山大会は開会式が行われました。シリーズでお伝えしている注目校、今回は復活をかけて夏に挑む古豪・岡山東商業高校です。
(岡本有生主将【画像①】)
「夏はミスした方が負けると思うんで、守備全体にノックでノーエラーの習慣をつけましょう」

キャプテン・岡本選手の掛け声から練習が始まる岡山東商業高校野球部。モットーは「野球を楽しむ」。練習メニューは選手たちが監督と相談して決めています。
古豪・東商。岡山県勢で唯一、甲子園での優勝経験があり、夏は11回出場を誇ります。しかし1991年を最後に夏の甲子園からは遠ざかっています。
目指すのは古豪復活。

今年のチームの中心はバッテリーを組む、ともに倉敷出身の2人です。キレのあるストレートと多彩な変化球を持つ叶投手と、落ち着いたリードに定評があるキャプテンの岡本捕手。
2人は小学6年生からバッテリーを組んでいて、東商の小林監督から声をかけられたことをきっかけに入学を決断したといいます。
バッテリーを組んで7年、互いに信頼し合う関係です【画像③】。

(岡本有生捕手(主将)3年【画像④】)
「テンポっていうのは大事だと思うんですけど、長いこと組んでいるからこそテンポが合うという感じで、良いテンポでもって行きやすいかなと感じています」

(叶 蒼空投手 3年【画像⑤】)
「配球面だったりというのは一番自分のことをわかってくれているので、ピンチの時でもどっしり構えてくれるので、おどおどせずに信じて投げることができます」

そんな東商は、今年春の県大会で3位と、着実に結果を残してきています。チームを支える控えの選手がいます。
(小林和市 選手 3年)
「声ないぞ!声!」
監督が期待を寄せる選手の一人、「メンタルリーダー」という役割を担う小林和市選手【画像⑥】です。背番号は13番。誰よりも大きな声を出し、チームの士気を高めます。
(小林和市 選手 3年)
「悪い雰囲気だったり、活気づける。誰か試合を動かす選手は必要だと思うんで、そういう選手がメンタルリーダーという役割として必要なのかなと思います」

チームの課題はその「メンタル」だといいます。昨年夏と秋、いずれも同点からの延長タイブレークで敗れました。そこで、勝負どころで自分たちの力を十二分に発揮できるチームになりたいと、「メンタルリーダー」の役割を新たに作ったのです。
(小林幸男監督【画像⑦】)
「技術だけではなくてメンタル的なもので、良い方へ良い方へ考えて行けば自分たちの力も発揮できるのかなと」

そこでメンタルリーダーに抜擢されたのが、チーム一のムードメーカー・小林選手でした。
(小林和市 選手 3年【画像⑧】)
「良いねー」「シャー」

小林選手は、試合では代打の一番手として控えます。声で、バットで流れを変える役割です。
(岡本有生主将)
「気持ちが強いほうが勝つと思うので、そういう気持ちの面でたくさん支えてもらっているなと。チーム全体が小林に支えてもらってるなと思います」
(小林和市 選手 3年【画像⑨】)
「絶対に歴史を変えてやるぞっていう、全員のメンタルをぶち上げられる選手でもありながら、チームを勝たせる選手で夏は挑みたいと思います」

練習場のホワイトボードには、「東商が甲子園ベスト4を果たした」という架空の記事が貼り出されていました。チーム全体で良いイメージを保ちながら試合で力を発揮できるようにとマネージャーが書いたものです。

「甲子園出場、全国ベスト4」の夢を現実に。東商はマスカットスタジアムでの初戦に臨みます。
