全国的に厳しい暑さが続く中、きょう(9日)は、今年最多となる32の都府県で「熱中症警戒アラート」が発表されました。香川県では8日連続ですが、実は岡山県では今年、まだ一度も発表されていません。一体なぜなのでしょうか?

きょう(9日)も厳しい暑さとなった、岡山・香川。日中の最高気温は、岡山県高梁市と香川県三豊市財田で36℃となるなど、5つの地点で猛暑日を記録しました。

(平松咲季記者)
「じりじりとした日差しが降り注いでいます。きょうも暑い1日となっていますが、『熱中症警戒アラート』が発表された地域を見てみますと、中四国では岡山県だけ赤色。アラートが出ていないんです」

危険な暑さに対して注意を呼びかけるため、環境省と気象庁が合同で発表する、「熱中症警戒アラート」。きょう(9日)は全国で今年最多の32の都府県が対象となりましたが…岡山県では今年、まだ一度も発表されていないのです。

近隣の県と気温の差はないのに、一体なぜ。その理由について、宮本気象予報士は…

(宮本大句見 気象予報士)
「湿度の面が大きいと思います。なかなか周囲の県と比べて湿度が高くなりにくいという影響があるかなと」

熱中症警戒アラートは、気温や湿度などから算出される「暑さ指数」が基準値の33を超える地点がある場合に発表されます。汗が蒸発せず熱がこもる状態が特に危険であることからこの「暑さ指数」の計算には湿度が大きく関係していて、比較的湿度の低い岡山県は「暑さ指数」が高くなりづらいとのことです。湿度が上がらない理由は、地形にあるといいます。

(宮本大句見 気象予報士)
「岡山県は、北は中国山地、南は四国山地に挟まれています。夏になると南から温かく湿った空気が入るんですよね。この四国山地が温かく湿った空気を阻んで、それで湿度が高くなりにくいのかなという」

一方、岡山県内の暑さ指数は、「熱中症警戒アラート」発表の基準値=33には達していないものの、各地で高い数値となっています。

(宮本大句見 気象予報士)
「県内のほとんどのところで(暑さ指数が)『危険』と『厳重警戒』ということですので、アラートが発表されていなくても熱中症には警戒が必要です」

危険な暑さは今後も続くとみられています。気象台はこまめに水分補給をし屋外での活動は控えるよう、注意を呼びかけています。