東北地方では、前線の影響により9日昼過ぎから10日夜のはじめ頃にかけて大雨となる見込みです。土砂災害や浸水、河川の増水に警戒が必要です。

前線南下で大気不安定化

前線が千島の東の低気圧から東北地方にのびており、10日にかけて東北地方を南下する見込みです。この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、日中の気温上昇も加わることで、大気の状態が非常に不安定になります。東北地方では、雷を伴って非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。特に注意すべき点として、雨雲が予想以上に発達した場合や同じ場所に停滞した場合には、警報級の大雨となる可能性があります。

1時間に最大50ミリの激しい雨

東北地方の降水予測は以下の通りです。9日には東北日本海側、太平洋側ともに1時間あたり最大50ミリの非常に激しい雨が予想されています。また、10日も両地域で1時間あたり最大40ミリの激しい雨が降る見込みです。24時間降水量については、9日6時から10日6時までに東北日本海側、太平洋側ともに多い所で100ミリに達する見込みです。その後、10日6時から11日6時までの24時間では、両地域とも60ミリの予想となっています。

このような短時間での強い雨は、急な河川の増水や土砂災害を引き起こす危険性があります。特に、山間部や急傾斜地では土砂災害の危険性が高まりますので、最新の気象情報に注意を払いましょう。

土砂災害・浸水・河川増水に警戒を

東北地方では、9日昼過ぎから10日夜のはじめ頃にかけて、大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。特に、過去に土砂災害や浸水被害があった地域にお住まいの方は、早めの避難行動を心がけることが重要です。大雨時には、がけ崩れや地滑りなどの前兆現象に注意を払い、異変を感じたら直ちに安全な場所に避難しましょう。また、用水路や側溝などの排水施設が詰まらないよう、事前の点検・清掃も効果的な対策です。河川付近にお住まいの方は、河川の水位情報に注意し、急な増水の可能性があることを認識しておきましょう。小さな河川でも短時間で急激に水位が上昇することがあります。

【突風・落雷・ひょうにも注意】農作物被害のリスクも

大雨だけでなく、9日昼前から10日夜のはじめ頃にかけては、竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうにも注意が必要です。これらの現象は、農作物や農業施設に大きな被害をもたらす可能性があります。発達した積乱雲が近づく兆候としては、急に空が暗くなる、冷たい風が吹き出す、雷鳴が聞こえる、雹が降り出すなどがあります。こうした兆候を感じたら、頑丈な建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。農業関係者の方は、強風対策として支柱の補強や防風ネットの点検を行い、収穫可能な農作物は事前に収穫するなどの対策を検討しましょう。また、農業施設のビニールハウスなどは、強風で飛ばされないよう固定を確認しておくことが重要です。