第8波の到来が懸念されている新型コロナ。11日に開かれたコロナ対策分科会で、政府は医療提供体制がひっ迫した都道府県の知事が「医療非常事態宣言」を出して、旅行や移動の自粛を呼びかける案を専門家に提示しました。

感染予防策として、政府がワクチン接種を呼びかける中、今月、40代の女性が接種後に死亡。遺族が説明を求め、現場で対応した医師らと面会した際の音声を入手しました。遺族は当時の対応に疑問を抱いています。

■全国の新規感染者7日連続で前週同曜日を上回る コロナ“第8波”への備え 新たな対策は

11月11日、行われた新型コロナ対策分科会。“第8波”への対応が議論され、政府は、感染レベルを4段階に分類する対策案を示しました。新型コロナ対策分科会 尾身茂会長(11日午後6時すぎ)
「最大のポイントは医療の負荷、あるいはひっ迫度というものを中心に考えるんだということが総意です」当初、政府は2022年夏の「第7波」の感染者数を基準にし、レベル分けを検討していましたが、専門家から「医療のひっ迫度で判断すべき」などと異論が出たといいます。新しい指標では、病床使用率が50%を超えるなどを目安に、レベル3の「医療負荷増大期」と位置づけます。

都道府県が「対策強化宣言(仮)」を出し、普段と異なる症状がある場合は、外出や出勤など、リスクの高い行動を避けるよう要請できるとしています。

それでも感染が抑え込めなければ、レベル4になる前に都道府県知事が「医療非常事態宣言(仮)」を出し、出勤の大幅な抑制や帰省・旅行などの自粛を要請します。ただ、飲食店などへの時短や休業は要請せず、学校の授業も継続する方針です。

新型コロナ対策分科会 尾身会長(11日午後6時半すぎ)
「まだ、コロナは普通の風邪と全く一緒という段階ではないと思います」厚生労働省が発表した11日の全国の新規感染者は、7万4093人と7日連続で前の週の同じ曜日を上回っています。重症者は22人増えて210人。死者は新たに81人が報告されています。

政府は、ワクチン接種などを呼びかけていますが、オミクロン株対応ワクチンの接種率は、全体で8.5%(11日現在)に留まっています。