柏崎刈羽原発の再稼働について県民から意見を聞く県の公聴会が29日、始まりました。花角知事の判断材料の一つになりますが、出席者からは、会のあり方に疑問の声もあがりました。

「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題について賛成の意見です」

「再稼働について反対の意見です」

柏崎刈羽原発の再稼働に関して県民が意見を述べる公聴会。

再稼働の是非を判断するにあたり、県民の意思を見極めたいと話す花角知事が「その手法の一つ」としています。

初回の29日は柏崎・刈羽地域に住んでいる人、働いている人が対象で16人の公述人が意見を述べました。

公募した人の中から再稼働への賛否や年齢、性別を考慮して選定委員会が選んだ人が8人、団体の推薦を受けた8人です。

【一般公募 再稼働条件付き賛成】「使っていない電気のために原発を再稼働しても何もメリットがない。柏崎市と刈羽村の電気をなるべく安く提供してもらいたい」

プライバシー保護の観点から会場は非公開で、オンラインでのみ公開。

音声のみ、顔を隠す、など公開の範囲は公述人が決め、半数の公述人は姿を隠して意見を述べました。
再稼働に賛成する公述人は経済的なメリットやエネルギー事情を理由にあげました。
【県商工会議所連合会推薦 再稼働賛成60代】「雇用においてこれだけ地域に貢献している企業は地元を見ても他に例はない。これこそが地域共生そのものと思います」

【新潟経済同友会推薦 再稼働賛成50代】「中東情勢は非常に不安定で、このような状態で火力発電に依存することは日本国として、エネルギーセキュリティの観点からも正しい選択とは思いません」

一方、再稼働に反対する人からは、事故が起きた際の避難や東京電力に対する疑問の声が…

【一般公募 再稼働反対70代】「(避難)道路はいつできるのでしょうか。計画があっても、その計画に盛られている避難道路がない限り再稼働はしてはいけないのではないでしょうか」

【一般公募 再稼働反対80代】「福島第1原発事故を起こし、不祥事を繰り返す東電に運転適格性はあるのか」

16人のうち再稼働賛成が7人、条件付き賛成が2人で反対が5人。「疑義がある」と述べたのが1人でした。

この公聴会のやり方について公述人からは疑問の声も上がりました。

【公述人】「公聴会は公開されながらやるべきであると思ったので、知事が聞いていることはなかったことについても何なんだろうと」

29日は県の幹部が県庁に集まり公聴会を見学しましたが、花角知事の姿はありませんでした。県の担当者は、後日内容をまとめて知事に報告するとしています。

公聴会は、対象エリアを変えながら8月31日まであと4回開催されます。