被爆当時27歳の尾畑さんは、爆心地から約1.2kmの位置にある三菱幸町工場で働いていました。1945年8月9日は朝7時から勤務。午前11時を過ぎた頃、突然見たこともない閃光に包まれました。シャツ1枚で腹ばいになった尾畑さんの背中には屋根瓦が落ち、積み重なりました。痛みを感じながらおそるおそる起き上がり、工場を出て、ガラスを素足で踏みながら向かった防空壕。「みんな命がけだった」、と尾畑さんは当時を振り返ります。被爆者に誘われたことをきっかけに語り部活動を始めた尾畑さん。「2度と戦争を起こさせない」という思いのもと、平和を訴えました。(1995年撮影)