旧松山藩主の久松家が愛媛県に寄贈を申し出た歴史資料について、松山市の野志市長は20日の市議会で、市が部分的に受け入れることも視野に県などと協議していると明らかにしました。

久松家の歴史資料はおよそ1万6000点からなり、旧大名家に伝わる貴重な美術工芸品や古文書などが含まれています。

久松家が県に寄贈を申し出たこれらの資料について、野志市長は20日市議会の一般質問で、次のように答弁しました。

松山市 野志市長
「松山市がすべての史料を受け入れるのは難しいと考えているものの史料の内容や状態などを考慮し保存と活用に向けて引き続き県などと協議を進めていきます」

久松家の歴史史料については先月、中村知事が「松山城を管理する松山市が寄贈先としてふさわしい」と話していました。

愛媛県 中村時広 知事
「松山市の方でやられた方がふさわしいのかなと思いましたんで数年前にご紹介をしつながせていただきました。残念ながら松山市が保管するのは困難であるとのお返事をいただきました」

松山市は県の仲介による全面的な寄贈を当初断った経緯について、博物館の収蔵庫の面積など、受け入れる体制がないことを理由にしています。