静岡県牧之原市では11月7日、保育施設で働く職員に向けた研修会が開かれました。バスの置き去りをめぐっては11月8日、福岡地方裁判所で有罪判決が言い渡され、職員の高い意識が求められています。
<常葉大学 木宮敬信教授>
「やるべきことを増やしすぎないことが一番大事。やらなくてもいいことまでやると決めるのは自分たちの負担を増やす。むしろ注意力を下げる」
保育施設で働く150人が受けた研修で、安全学の専門家が話したのは、子どもを守るための高い意識と職員間の明確な役割分担です。
2022年9月、3歳の園児の命を奪った牧之原市の通園バス置き去り事件では、バスから園児を降ろす際の確認を怠ったことなど、人為的ミスが重なったことが明らかになっていて、警察は業務上過失致死の疑いで現在、捜査を進めています。
同様の事件をめぐっては、2021年、福岡県中間市で当時5歳の園児が死亡した事件で、福岡地裁は11月8日、当時バスを運転していた園長らに対し、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
<死亡した園児(当時5)の遺族>
「判決の結果を軽いと感じる。重くないとまた同じ事件や事故が起きるのではないかと思った。このような事件を二度と起こしてほしくない」
判決では「確実に降車させることは、園児を預かる立場として極めて基本的な注意義務で、結果は重大」としていて、改めて子どもの命を預かる職員らに警鐘を鳴らした格好です。
今回の牧之原市の研修でも、安全管理について講師から「役割を明確にすることが大切」などと注意が呼びかけられました。
<参加した保育園の園長>
「ヒューマンエラーについて言い合える仲間、失敗したときに言えることの大事さを学んだ」
<参加した保育士>
「マニュアルを作ってはいるが、確認することが今まで少なかったと思うので、しっかりと職員全員で気を付けてみていきたい」
二度と起こしてはいけない通園バスの置き去り事件。牧之原市は今後も研修の機会を設け、職員の知識向上を図る方針です。
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