アメリカ統治下の沖縄を題材にした映画「宝島」が今年9月に上映されるのを前に、主演の妻夫木聡さんと広瀬すずさんらが那覇市の中学校を訪れ、特別授業を開きました。

8日那覇中学校を訪れたのは、映画「宝島」に出演する俳優の妻夫木聡さんと広瀬すずさん、監督の大友啓史さんです。

特別授業では、映画の舞台となった沖縄の戦後史について中学生30人あまりと意 見を交わしました。



▼妻夫木 聡さん
「率直に時代の変化をどう捉えましたか?」
▼中学生
「生まれたときから米軍基地があって、米軍基地がある生活が当たり前で、でも映画でアメリカ統治下の沖縄の人々が米軍に対して反発していたことを知って、戦争に対する憎しみや悲しみが、民間の中で風化しつつあると思う」

映画「宝島」は、基地から奪った物資を住民らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた、アメリカ統治下の混沌としたコザの街が舞台。やり場のない怒りを抱えながらも、力強く生き抜く若者の姿が描かれています。



▼妻夫木 聡さん
「コザは愛している場所だから、愛している人たちがいるからこそ、『より一層その人たちの思いを代弁しないといけない』という覚悟が自分の中にあった」



▼広瀬 すずさん
「私はこの作品と出会って知ることがたくさんありました。私の世代や、もっと若い方も、映画というコンテンツを使って、日本、今の自分たちのことを考えられるのはすごくいいな、素敵だなと思いました」

NHK時代に、朝ドラ「ちゅらさん」の制作にも携わった大友啓史監督は、若い世代がこの映画を通して、沖縄の歩んだ歴史を見つめるきっかけにしてほしいと思いを込めました。



▼大友啓史 監督
「沖縄の若者はその土地に生きている以上、感じることが僕らより強かったりするんじゃないかなと思います。若い子たちが自分たちで考えて自分たちでひとつひとつ時間はかかるけど、答えを見つけていくことが大事な気がします」

映画「宝島」は9月19日から全国公開されます。