アジサイの季節を迎え、観光シーズン真っ盛りの鎌倉ですが、名物のシラス丼がピンチです。シラスの不漁は静岡でも発生していて、影響が心配されています。

梅雨入り目前の鎌倉に、アジサイの季節がやってきました。

観光客
「めっちゃ咲いてて、めっちゃ綺麗でした」
「長谷寺のアジサイを見に行きます。幸せ」

アジサイとともに鎌倉名物なのが…

女性
「このへん来たら、生シラスでしょ」

そう「生シラス」。小町通り近くにある海鮮レストラン。「生シラスと釜揚げしらすの二色丼」や、まぐろやイクラがのった五色丼が人気です。


「生シラスって書いてあったので。たまたま、よかったです。今日はあって」
「生は違いますね、釜揚げと比べても。(生シラスあって)すごいラッキーでした」

「生シラスが食べられてよかった」「ラッキー」と話す、そのワケは?


「(先日)江の島でもお店入ったときに『今日、生シラスないんです』って言われて。それが3回連続あって」

そう、シラスが不漁なんです。

海鮮レストラン あらうんど ミール正喜生 オーナー
「店やって15年になりますけど、今年ほど獲れない年はなかった。すごく困っています」

人気メニューのひとつ、「生しらす丼」が提供できないといいます。

ミールさんが生シラスの仕入れに行くということで同行させてもらうことに。やってきたのは、漁師さんが営む鮮魚店。

もんざ丸 船長 前田陽平さん
「2個(パック)獲れましたけど1個でいい? 2個、オッケー」

海鮮レストラン あらうんど ミール正喜生 オーナー
「2個いただきます」

いつもは15パックほど仕入れていますが、この日はわずか2パック。

もんざ丸 船長 前田陽平さん
「なんにもいない。だいたい90kgシラスが獲れて、お店を回してトントンなんですよ。それが10kg20kg。お店を開けられるけど、赤字っていう状態が3か月」

去年と比較すると、シラスの漁獲量は8割減だといいます。不漁の原因はよくわかっていないそうです。

シラスが特産品の静岡市にある用宗漁港でも…

漁師
「ここ3、4年、雰囲気悪いな」
「去年が一番悪くて、今年はさらに悪い」

先月、漁に出たのはわずか1回で、300キロほどしか獲れなかったといいます。しかし、きょう1か月ぶりに漁に出たところ、2トンを超えるシラスが獲れたということです。

さらに、こんな明るい兆しも。静岡県の水産・海洋技術研究所によると、駿河湾のシラスになるカタクチイワシの卵が去年6月に71個だったものが、今年の6月は998個とおよそ15倍に。潮の流れによっては今後、シラスの漁獲高が増えることが期待できるそうです。