ネコ好きの研究者らが5年がかりで謎を解明

九州大学高等研究院 佐々木裕之 特別主幹教授(68)
「『ARHGAP36』という遺伝子なんですけど、毛の色とか肌の色に関わるとは今までまったくわかってなかった。ただ、ネコではこの遺伝子は、色素の合成の切り替えに使われてるっていうことになります」

佐々木教授らが特定した黒と茶色をつくる遺伝子「ARHGAP36」
この遺伝子が正常であれば毛の色は黒になり、一部が欠けると、茶色に変わるのです。
九州大学高等研究院 佐々木裕之 特別主幹教授
「思いもかけないというか、予想外の遺伝子が見つかったので、我々もびっくりしましたし、学術的には価値があるということ。長年の三毛猫の謎が解けたっていう嬉しかったですね、もちろん」

猫好きの研究者11人が、5年がかりで解明した三毛猫の謎。
さらに、この研究は、人の病気の解明にも役立つ可能性があるそうです。
九州大学高等研究院 佐々木裕之 特別主幹教授
「人では皮膚がんとか病気に関わるんですよ。毛があまり生えない減毛症とか皮膚の基底細胞がん、そういうがんが起きることと関係している遺伝子です。この遺伝子が働く仕組みをもっと詳しく調べると、人の健康にも役立つ可能性が大いにある」
海外のメディアも注目

クラウドファンディングで募った研究費は、約2か月で目標額500万円の2倍、1000万円以上集まりました。

研究成果を発表後、国内だけでなく海外のメディアからも取材依頼が殺到。
予想を超える反響に佐々木教授も戸惑いを隠せません。
九州大学高等研究院 佐々木裕之 特別主幹教授
「反響は今までで一番だと思います。学術的な価値でいうと、これよりももっと大きい価値のある研究発表をいくつもしたつもりなんですけど、今回は一般の方たちの興味もあったということだし、そもそもクラウドファンディングで皆さんの協力を得てやったので、注目を浴びたかなと思います」
身近な研究「若い人たちに関心を」
身近な存在であるネコの研究。
佐々木教授は、子どもや中高生たちに研究への関心をもってほしいと話します。
九州大学高等研究院 佐々木裕之 特別主幹教授
「一番興味をもっていただきたいのはやっぱり若い人たちですよね。我々の身近にはまだ分からないことがたくさんあるので、そういうことを調べることによって、新しいことが発見できたりとか、それがすぐには役に立たなくても、まわりまわって科学技術の発展とか、我々の病気の克服とかに役立つ可能性があるっていうことを感じていただければなと思います」














