ロシアのプーチン大統領がウクライナでの停戦を含めた和平の条件として、NATO=北大西洋条約機構の拡大を停止する誓約などを求めているとロイター通信が報じました。

プーチン大統領は先週、アメリカのトランプ大統領との電話会談後、停戦の時期を含めた和平に関する覚書をウクライナとともに作成することで合意したと述べていました。

ロイター通信は28日、交渉に詳しい複数のロシア関係者の話として、プーチン大統領は、NATOが東に拡大しないと欧米主要国が文書で誓約することを求めていると伝えました。

これはウクライナ、ジョージア、モルドバ、その他の旧ソ連諸国のNATO加盟を正式に排除することを意味するとしています。

このほか、▼ウクライナの中立化、▼対ロシア制裁の一部解除、▼ロシアの凍結資産問題の解決、▼ウクライナにおけるロシア語話者の保護なども求めているということです。

記事の中で、ロシア高官筋は「プーチン大統領は和平に応じる用意があるが、そのためにどんな代償でも支払うという訳ではない」と述べ、強硬姿勢を崩してないとしています。

ロシア側の覚書について、ペスコフ大統領報道官は28日、「最終段階を迎えている」と述べましたが、内容は公開しないとしています。

こうした中、ラブロフ外相はウクライナとの次回の直接交渉について、6月2日にトルコのイスタンブールで開催し、ロシア側の和平案を示す用意があると表明しました。

これに先立ち、ラブロフ氏は紛争解決において、ウクライナの中立化や非核化といったロシア側の主要な要求は満たされなければならないと強調しています。