大分市の高校で性的少数者に関する学習会が開かれ、当事者でもある講師の倉堀翔さんが自身の体験を語りました。
(倉堀翔さん)「(プロジェクターを見ながら)これは私です。性別は何ですかと言われれば女ですと答えます。体が男というだけで男と決められ男として育てられました」


大分市の大分高校で行われた人権学習会、生徒に音楽を指導している非常勤講師の倉堀翔さん(34)が自身の体験を語りました。

体は男性として生まれたものの幼いころから自分は女性だと認識していた倉堀さん。制服やルールに生きづらさを感じてきたといいます。

(倉堀翔さん)「(プロジェクターを見ながら)これは入学式の私ですが、何で黒色のランドセル?という気持ちでした。水泳の授業は私にとって本当に地獄。なんで男の子は下半身しか隠れない水着で泳がなければいけないのか。恥ずかして死んでしまいたいくらいの気持ち」


倉堀さんは1年生の生徒およそ200人を前に、学校生活の中で辛かったことや心の支えとなった音楽や恩師との出会いについて語りました。
(倉堀翔さん)「クラリネットが全部支えてくれて、忘れさせてくれて、クラリネットがあるなら男でもいいと思える力を自分の中で蓄えていった」

現在はクラリネットの演奏家としても活躍する倉堀さん。大好きな曲を披露しました。

(生徒)「私が知らないだけで結構悩んでいる人がいるんだなと思いました」「自分が感じることのできない辛さを知れたし、そういう人に対して気遣ってあげたいと思った」


(倉堀翔さん)「(自分に)うそをつかずに一生懸命生きていればたくさんいいこともあるから、そう思って生きてくれると嬉しいと思う」

倉堀さんは自身の体験が自分らしく生きるヒントになればと話しています。