6月3日の韓国大統領選挙の投開票まで1週間を切りました。

各種世論調査では、革新系・最大野党「共に民主党」の李在明候補が選挙期間を通じてリードを保っていて、保守系・与党「国民の力」の金文洙候補が追う展開となっています。

去年12月の「非常戒厳」宣言をめぐり、尹錫悦前大統領の罷免を受けて行われる韓国の大統領選挙は6月3日に投開票されます。

選挙は、▼革新系・最大野党「共に民主党」の李在明候補、▼保守系・与党「国民の力」の金文洙候補、▼保守系・野党「改革新党」の李俊錫候補、3者を軸に舌戦が繰り広げられています。

調査会社「リアルメーター」は28日、世論調査の結果を公表し、各候補者の支持率は▼李在明候補は49.2%、▼金文洙候補は36.8%、▼李俊錫候補は10.3%でした。

選挙期間を通じて李在明候補がリードし、金候補が追いかける展開が続いていますが、終盤ではその差が縮まることもありました。

別の世論調査でも同様の傾向となっていて、金陣営や与党の間では「反李在明」勢力の結束を掲げる一方、3位につける李俊錫候補との一本化が実現できれば勝機があるとみていました。

しかし、李俊錫候補は27日の記者会見で、尹前大統領による「非常戒厳」宣言を指摘し、与党「国民の力」について、「責任を負う立場だ」と非難。李俊錫候補は「今回の選挙は一本化はしない」と断言しました。一部の韓国メディアは、一本化の実現は難しくなったとの見方を伝えています。

29日からは期日前投票が始まるため、金陣営、与党側はぎりぎりまで一本化に向けて動くとみられています。

各候補とも経済対策や雇用対策、少子化対策などの公約を掲げていますが、テレビ討論会でも政策論争は盛り上がらず、候補者同士が攻撃しあう場面が目立っています。

リードする李在明候補の陣営関係者は、「事実上、政策は争点になっていない。李候補が最後までミスをしないかが大事だ。政治は生き物なので決して安心はしていない。保守系候補の一本化など最後まで注視している」と話しています。