外国で取得した運転免許証を日本の免許証に切り替える「外免切替」について、政府・与党は「想定しない事態が起きている」として、制度を厳格化する方針ですが、何が起きているのでしょうか。
日本の免許はコスパがいい? 外国人需要はパンク状態

井上貴博キャスター:
外国の免許証を日本の免許証に切り替える“外免切替”。
警察庁の資料によると、2023年の外免切替の上位3か国は、▼ベトナム1万5807件、▼中国1万1247件、▼アメリカ4250件と、中国とベトナムが突出していることが分かります。
5年間で、ベトナムの利用者は約2.7倍、中国の利用者は約1.5倍と増加しています。

TBS報道局 政治部 長田ゆり 記者:
外免切替は全体として取得者数がこの10年で約2倍になっていて、中でも、ベトナムや中国などの外国人の外免切替が増えている状況です。
ある免許センターへ取材をしたところ、外免切替の予約は東京で2~3か月待ちになっていて、需要がパンクしているような状態だということです。

“外免切替”制度は元々、海外に住む免許を持った日本人が、帰国の際に利用することを念頭に置いた制度です。
井上キャスター:
つまり日本人のために作った制度だということですよね。
TBS報道局 政治部 長田記者:
例えば、海外赴任した日本人や外交官などを念頭に制度が作られたため、ある程度日本の交通ルールを知っているということが前提にある制度です。
井上キャスター:
外国人に人気のワケとして、日本の免許が“コスパがいい”という点があるそうですね。

TBS報道局 政治部 長田記者:
国際的に日本の免許証はとても信頼が高いです。
日本は、道路交通に関するジュネーブ条約に加盟しており、日本で国際運転免許証を得ると、加盟国である日本・アメリカ・イタリア・イギリス・カナダ・韓国など、約100の国と地域で、運転できる権利を得ることができます。
ただ、中国やベトナムはジュネーブ条約に加盟していないため、日本で外免切替と国際運転免許証を取得することで、約100の国と地域で運転できる権利を得られます。そういった点が総じて、“コスパがいい”ということで、人気の理由の一つです。
井上キャスター:
日本で免許を取って国際免許に変えて、世界約100の国と地域で運転できるようになるというのは、ジュネーブ条約加盟国としても「日本が抜け道を作ってるから迷惑」ということにもなりかねませんね。

サバンナ 八木真澄さん:
中国で最後の駆け込みツアーのようなものがあったりするそうです。ちょっと困りますよね。