原爆で破壊された浦上天主堂の鐘が、米国のカトリック信徒によって復元・寄贈され、24日から教会の展示室で一般公開されています。

80年前、アメリカが投下した原爆で「一対」あった鐘の片方が失われた浦上天主堂。被爆80年の今年、アメリカのカトリック信徒500人以上の寄付により、壊れた鐘が復元され寄贈されました。

呼びかけたのは米国の原爆開発「マンハッタン計画」に参加した医師の孫、米ウィリアムズ大学のジェームズ・ノーラン・ジュニア教授で、教授の提案を受け、ネイティブアメリカンの聖人にちなみ「希望のカテリの鐘」と名付けられる予定です。

鐘楼への取り付けを前に、24日から教会の敷地内にある信徒会館で一般公開されています。

見学に来たシスターは「とにかく嬉しいです」「見たら涙が出ます。原爆は許せない程酷いことですが、許し合わなければ平和は来ないと思う」と話していました。

カトリック浦上教会の山村主任司祭は「皆さんが喜んでいる姿を見て本当に意義があった事なんだなと改めて感じています。鐘の寄贈を受けた私たちが、平和に向けてどう行動していくかが大切だと思う」と話していました。

鐘の一般公開は6月1日まで。
7月17日には「祝福式」と共に、空の状態が続いていた北側の鐘楼におさめられ、原爆が投下されて80年になる8月9日午前11時2分、2つの鐘の音が復活することになっています。