線状降水帯発生の鍵を握る水蒸気の量について日本海側での観測を強化するため、気象庁は、今年の大雨のシーズン中に海洋気象観測船を日本海でも航行させる計画を明らかにしました。
線状降水帯に伴う大雨は、去年、9月に石川県能登地方で死者16人、7月には山形県で死者3人など、日本海側にも大きな被害を引き起こしました。
日本付近に大雨をもたらす暖かく湿った空気や水蒸気は、日本の南の海上から流れ込むのが一般的ですが、梅雨の終わり頃になると、北上した太平洋高気圧の縁に沿って日本海側に流れ込むことがあります。
特に線状降水帯の発生を予測するには、線状降水帯の「素」となる水蒸気の量を把握することが必要で、気象庁の野村竜一長官は21日の定例記者会見で、大雨のシーズン中、主に東シナ海に派遣している海洋気象観測船2隻のうち1隻を、今年は日本海側でも航行させて水蒸気の観測にあたらせる計画を明らかにしました。
気象庁 野村竜一 長官
「昨年もですね、(山形県)酒田のあたりで線状降水帯ができたり、それから(石川県)輪島の付近で線状降水帯ができたりしておりました。そういう意味で、日本海でもそういう線状降水帯ができやすい状況が進んでおりましたので、水蒸気の動きを日本海で見る必要があるということで船を回すことに致しました」
気象庁は、日本海側での水蒸気量の観測を今よりも強化することで、山陰や北陸、東北の日本海側などでの線状降水帯の予測精度の向上などに繋げたい考えです。
注目の記事
物価高対策は実現する?「地方交付金」「年収の壁」「5年で100万円増」…自民党総裁選 5人の政策を比較【Nスタ解説】

「腹が立つ。行く気持ち失せた」"奪われた"万博チケット...誰かが不正ログイン→勝手に譲渡されていた!博覧会協会は『返金・再交付できない』警察への被害届は『受理されない』

服にくっついてイラッ「ひっつき虫」の世界 対処法は?実は“あの製品”開発のヒントにもなっていた

「亡くなっても家族を助けてくれている」奥能登豪雨1年 中3・喜三翼音さんが家族に残した“生きる源”

「つらかった過去にひとつの区切りを」小倉美咲さん行方不明から6年 母親が献花台を閉じる 山梨・道志村

蚊は“世界で最も危険な生き物の一つ” 涼しくなってこれからピークに 昼間に活発なのは「やぶ蚊」夜に活発なのは「いえ蚊」刺されやすい人の特徴は?就寝時の対策は?
