ウクライナ情勢をめぐり行われたトランプ大統領とプーチン大統領との電話会談。この話し合いからは、今後のロシアとウクライナの「停戦」の行方が見えるようです。専門家に聞きました。
アメリカ トランプ大統領
「プーチン大統領と2時間半会談し、進展があったと考えている」
プーチン大統領との会談を終えたトランプ氏。ウクライナとロシアが「停戦、そして戦闘終結に向けた交渉を直ちに始める」と述べました。ところが、その条件についてトランプ氏は、今後「当事者同士で交渉する」と説明。仲介をやめる可能性も示唆したのです。
アメリカ トランプ大統領
「これは私の戦争ではない。より状況が悪化すると考えられる場合には、すべてから身を引くかもしれない」
また、今回の会談でプーチン氏が言及したのが「将来の平和条約に関する覚書」です。「ウクライナ側とともに作成する用意がある」と表明し、「トランプ大統領と合意した」と説明しています。ゼレンスキー氏も…
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシアから覚書の提案があれば、我々の考えをまとめられるだろう」
3者が前向きになっているこの「将来の平和条約」ですが、プーチン氏の側から言及があったことで「停戦は遠のいた」と、アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授はみています。
明海大学 小谷哲男 教授
「プーチン大統領が言うところの停戦の条件を整えなければならないということになりましたので、むしろ停戦は遠のいたと思います。ヨーロッパの首脳、さらにはゼレンスキー大統領も含めて、(トランプ大統領が)プーチン大統領にうまくあしらわれてしまったというふうに認識しているのがおそらく正直なところだと思います」
会談後、トランプ氏は今後のウクライナとロシアの話し合いの場として「バチカン」の名を挙げました。唐突にも思えた発表でしたが、トランプ氏のこんな意図があるようです。
明海大学 小谷哲男 教授
「トランプ大統領としては(交渉の)場を設定したので、自分の役割はほぼ終わったと考えてもおかしくないと思います」
今後の米ロ関係、トランプ氏は何を狙っていくのでしょうか?
明海大学 小谷哲男 教授
「ウクライナとロシアの間で実際に停戦合意が実現すれば、アメリカとロシアのビジネス関係を深めていきたいと考えていると思います」
トランプ氏が交渉に後ろ向きになったら停戦の実現そのものがどうなるのか。現時点では不透明なままです。
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