北アルプス剱岳の標高2150メートル付近の雪渓で、山スキーをしていたとみられる身元不明の男性の遺体が16日発見されました。付近は上級者コースで、警察は谷の様子を確認しようとして滑落した可能性があるとみて、遺体の身元の確認や当時の状況を調べています。

15日午後9時頃、北アルプス剱岳の「池ノ谷に入山中の男性と連絡が取れない」との通報が警察に入りました。通報は遺体で見つかった男性の関係者とみられる人物からのものでした。

翌16日、地上からは県警山岳警備隊、空から民間のヘリコプターが捜索に出動し、雪渓に倒れている男性を発見しました。

その後、富山県警の要請を受けて長野県警のヘリが出動し、16日午後2時32分に男性の遺体を発見、収容しました。

警察によりますと、男性が倒れていた場所から数百メートル上部の崖で、男性のものとみられるスキー板とリュックが見つかったということです。

警察は、男性が山スキーの途中で谷の様子を確認するために一旦スキーとリュックを置いた際、滑落した可能性があるとみて詳しい状況を調べています。

死亡したとみられる男性の登山届には14日から1泊2日の日程で単独で入山、剱岳と池ノ谷右俣を回る予定が記されていました。

発見された男性の遺体は、身長が約170センチメートル、体型は中肉で赤色ジャケット、紺色ズボンを着用、年齢は40代から50代とみられます。

警察が身元の確認を進めるとともに、引き続き当時の状況を調べています。