農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に選ばれている岡山県美咲町の大垪和西(おおはがにし)の棚田で田植えが最盛期を迎えています。

コメの価格上昇が続く「令和の米騒動」の中、農家はどのような思いで田植えを行っているのでしょうか。

山里に爽やかな風が吹き抜けます。すり鉢状の地形に約750枚の棚田が広がる美咲町の大垪和西地区です。

初夏の風物詩となっている田植えは先月下旬に始まり、今月いっぱいまで行われます。町の名物である「棚田米」。寒暖差の大きい標高400メートルの気候とキレイな湧き水がおいしいコメを育てるといいます。

(農家 宮尾廣実さん)
「やっと田植えに辿り着いたという感じ。田起こしから3週間ぐらいかけて水を張っていくので大変でした」

去年からコメ不足による価格上昇が問題となっている中での田植えです。コメ農家は、どのように受け止めているのでしょうか。

(農家 宮尾廣実さん)
「米の価格が高すぎるのかもしれないですけれど、燃料や肥料代も同じように上がってきているので安定的な生産につながるのであればある程度の価格上昇はしかたないのかなと」

これまでは安すぎたコメの買取価格が改善されるきっかけになればと考えているようです。

さらに、トランプ大統領の関税対策として検討されているアメリカ米の輸入拡大案も国産米の価格下落を招くのでは不安をにじませます。

(農家 宮尾廣実さん)
「国の政策ですとか、アメリカの動向もあるので注視していきたい」

今後も先行きが見通せないコメの価格です。棚田米の収穫は8月下旬に始まるということです。