中東を歴訪中のアメリカのトランプ大統領は、去年アサド政権が崩壊したシリアへの制裁を近く解除する方針を明らかにしました。

アメリカ トランプ大統領
「私はシリアが偉大になるチャンスを与えるため、シリアに対する制裁の停止を命じる予定だ」

サウジアラビアを訪問中のトランプ大統領は13日、首都リヤドで演説し、「シリアとの関係正常化に向けた第一歩を踏み出した」などと述べ、対シリア制裁を解除する方針を明らかにしました。

アメリカの対シリア制裁は独裁的だったアサド前政権時代に科されたもので、去年12月に政権が崩壊し、新体制となって以降も維持されていました。

ホワイトハウスによりますと、トランプ氏はシリアのシャラア暫定大統領と14日に会う予定で、制裁解除について話し合われる可能性もあります。

アメリカ トランプ大統領
「サウジアラビアが(『アブラハム合意』に)参加すれば、世界中が注目する中、中東にとって特別な日になるだろう」

さらに、トランプ氏は第一次政権時にアメリカの仲介でイスラエルとUAE=アラブ首長国連邦などアラブ諸国が国交を正常化した「アブラハム合意」について、「サウジアラビアが近く参加することが望みでもあり、夢でもある」と述べ、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化の実現に期待を示しました。

また、演説に先立ち、トランプ氏はサウジアラビアのムハンマド皇太子と会談。

アメリカ トランプ大統領
「あなたを訪ねるのが好きだ。お互いをよく知っていて、お互い気に入っていると思う」

6000億ドル=日本円でおよそ88兆円規模の対米投資や経済協力をまとめた合意文書に署名しました。このうち、サウジアラビアに対するアメリカ製の武器の売却は、過去最高の1420億ドル=およそ21兆円規模となっています。