食道に疾患のある患者の方に朗報です。広島大学は食道ガンなどの治療に県内で初めて最先端の内視鏡治療を取り入れました。
広島大学病院 消化器内科・岡志郎教授
「食道に関する3つの新しい治療ということです」
広島大学病院では3つの食道疾患に内視鏡による新しい治療法を先月から取り入れています。

◆まずは、食道がんの放射線治療後に腫瘍が残ったり再発したりした場合の治療です。「光線力学療法」=PDT(ピーディーティー)と呼ばれる治療法で特定の波長の光をあてることで活性酸素を発生させてがん細胞を破壊します。

◆続いて食べ物がつまって喉をとおりにくいなど良性疾患の治療です。POEM(ポエム)と呼ばれる治療法で、内視鏡で食道の下の方にある異常な筋肉を取り除き食べ物を通りやすくします。この2つの治療法は先月、県内で最初の施術を終え経過は順調だということです。

◆3つめは、胸ヤケが内服薬などで改善されない症状の治療です。内視鏡で胃の入り口の粘膜を取り除き人工的に胃潰瘍を引き起こして胃散の逆流を抑制するそうです。

広島大学病院 消化器内科・岡志郎教授
「内視鏡手術することになったら、これまでは東京など県外を紹介しないといけなかった。広島県の患者さんにとっては朗報というか、そういう患者さんが選択肢として内視鏡で直るという知識が一般的にはないと思います。そういう意味ではかなり先進的な治療という位置づけになると思います」
内視鏡治療は身体への負担が少なく、保険も適用されるということです。広島大学病院では、内視鏡治療を広く知ってもらい、治療の選択肢に加えてほしいとしています。
