氷見市北部の沿岸部の地域で11日、各地で地震による津波を想定した避難訓練が行われました。高齢化が進む地域では、津波の到達時間までに住民がどう避難するのか課題が浮かび上がりました。

屋外スピーカー「地震が発生しました。津波の恐れがありますので高台など速やかに安全な場所に避難してください」

能登半島地震で甚大な被害を受けた氷見市姿の訓練には26世帯40人の住民が参加、地震の発生を知った住民たちは集落の集会所と高台にある長福寺に避難しました。

長福寺 北鹿渡文照住職
「海水面に対して高さがないですからみなさん津波に対してはすごく敏感になっていると思います。特に去年の津波以来」

【おとといの映像】海岸線に近く、海抜4メートルの高さに住宅が点在する姿。

【おととい】訓練では地震で大規模な海底地すべりが発生し7メートルを超える津波が押し寄せてきたとの想定で行われました津波の到達予想時間はおよそ10分。

「足が痛い。足が痛くて」

住民たちはそれまでに各自で避難しなければなりません。

住民
「やっぱり私ら海の近くやもんで。だから歩いてきたら津波に襲われるな」
「やわやわ動いてきたんですけど。ここまで10分ほどかけて。きょうはこんなのんびり歩いとるけど普通なら動けんわね」
「ここ高い場所だから上がってくるのが大変というのが大半でした。そうだろうなと思います」

高齢化率が5割を超える姿では、徒歩で10分以内に高台まで避難することが難しい現状が浮き彫りになりました。

一方で、海岸から離れた住民たちは、避難経路を確認しながら集会所に避難。

「ここ置いとかれ」

足が不自由な高齢者を住民たちがサポートし避難場所へと誘導する姿が見られました。

氷見市姿地区 山本譲治区長
「どれだけの津波、高さの津波来るか分からんもんで空振りでもいいですからとりあえず逃げてください。1人でも被害に遭ったら嫌なもんですからみなさんの身体はみなさんで命を守ってほしい」

訓練を終え住民たちは…。

住民
「(能登半島地震の時も)前回も津波避難あったもんで皆さん緊張感、人数も集まってますのでよかった」

山本譲治区長
「高齢者がかなり多い所ですから体の不自由の方もいますので力を貸してあげて避難を第一にしたい」

高齢化が進む地域での津波避難。姿では訓練を踏まえ一人残さず避難させるためにはどうすべきか行政とも話し合いたいとしています。