80年前の沖縄戦で多くの犠牲を出した「ひめゆり学徒」について、今月3日の憲法講演会で「歴史の書き換え」などと主張した西田昌司参院議員の発言をめぐり、沖縄県議会は7日、抗議決議を審議する方針を確認しました。
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▼与党会派・てぃーだ平和ネット 玉城健一郎県議
「みなさんご存じのとおり、平和祈念資料館だったり、ひめゆりの塔は、戦争体験者が家族に言えないような体験を何とか我慢しながら、沖縄の後世に伝えるべくつくってきたものであります。このようなものに対して、自民党の参議院議員が言ったことは決して看過されるものではないと思います」
これに対して、中立会派も応じました。
▼中立会派・日本維新の会・大田守県議
「しっかりとした平和教育を糸満市は行ってきた。(西田議員の発言は)それを根底から壊してしまう。フォーラムの中には、私たち沖縄県選出の国会議員もいます。県議のみなさんも何人かいたと聞いています。なぜその場で、『西田議員ちょっと違いますよ』と、なぜ言わなかったのか」
今後は本会議での抗議決議に向け、提案内容などについて各会派での議論が進められる見通しです。
また自民党沖縄県連は7日に開いた会見で、西田議員の発言について党本部に抗議し、県議会でも抗議決議に賛同する意向を示しました。
▼自民党沖縄県連・座波一幹事長
「現場の感情を無視したような発言が出た。これについては大変残念に思っているところであります。抗議せざるを得ない状況かなと感じました」
座波幹事長はシンポジウム会場で直接、西田議員の発言を聞いた際に次のように感じたとも述べています。
「戦争犠牲者全員に対する悼み、あるいはそういった表現をしたかったなかでの発言だったように私は感じていたわけですけど。言葉として切り取られた場合に、不謹慎な発言に捉えられかねなかったと。そこについては丁寧さが足りない」
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党本部に抗議するにあたっての抗議先や内容は、8日の議員総会で決める方針だということです。
西田参院議員の発言について、玉城知事はー
▼玉城デニー沖縄県知事
「沖縄戦の歴史の事実を、ある意味ねじ曲げるということにおいては、これは看過できないということだと思います。(沖縄戦が)まるでそうかでないかのようなご発言、私は認識が非常に違うというように言わざるを得ないと思います」
また玉城知事は今後、「平和を伝えるため、戦争体験者が語ってきたことをこれからも丁寧に伝えていきたい」と述べました。