広島県福山市鞆町にある国の重要文化財・沼名前神社能舞台で、松などが描かれた「鏡板」が復元されました。

根元から力強く伸びる老松と、遠近感のある竹が同じ平面に描かれた鏡板。豊臣秀吉が愛用したと伝わり、京都・伏見城から福山藩主・水野家が移築した能舞台は、長年の劣化で鏡板の絵柄が見えない状態でした。

2020年度から復元への調査を行い、2025年3月に完成しました。復元を祝い、喜多流大島能楽堂による能も披露されました。訪れた人は地元の宝を再認識していました。

能楽師 大島衣恵さん
「(松は能の)あらゆる場面を想像させてくれる。能の世界に近づけると言いますか…」

沼名前神社 奥 茂宣 宮司
「(秀吉が)見たかもしれないこの松図を気持ちよくみなさんも見ていただいて、思いに歴史に心をはせていただきたい」