アメリカを代表するアーティストのパティ・スミスさんが広島を訪問しました。被爆者の小倉桂子さんとの対談では、平和の尊さを世界に訴えました。

シンガーソングライターで詩人のパティ・スミスさん。被爆者の小倉桂子さんに出迎えられ、平和公園を訪れました。

小倉桂子さん
「広島に戻られたのですね」
パティ・スミスさん「はいあなたに会うためです」

「パンク・ロックの女王」とも称され、いまも世界中に多くのファンを持つパティ・スミスさん。東京などで行われる来日公演の合間を縫っての広島訪問はおよそ10年ぶりだということです。

アメリカ兵として日本と戦った父親は原爆の悲惨さに心を痛め続けたといいます。

パティ・スミスさん
「前回、原爆慰霊碑には父に代わって死者に許しを請うために来ました」

小倉さんとともに原爆慰霊碑に献花し、祈りを捧げました。

Q.何を祈ったのですか
パティ・スミスさん「(小倉さんの)願いが叶うよう、祈りました」

2人は原爆資料館を視察したあと、聴衆を招いて対談を行い、パティさんは小倉さんの被爆体験に耳を傾けました。

小倉桂子さん
「閃光を見た瞬間、すべてが真っ白になりました」

パティ・スミスさん
「私が経験したものではなくとも、小倉さんの言葉は私自身の一部となりました。絶対に忘れません。あなたの存在は私の一部です」

対談でパティさんは、世界の若者へ向けてメッセージを贈りました。

パティ・スミスさん
「小倉さんが見たヒロシマは想像を絶するものです。それでも、彼女は憎しみではなく愛と平和のメッセージを世界に伝えるために立ち上がりました。それこそ我々がとるべき行動です

自身の代表作の一つでいまも歌い継がれる「People Have The Power」の歌詞を朗読し、平和への思いを込めると、会場には大きな拍手が鳴り響きました。

パティ・スミスさん(「People Have The Power」)
「私は信じる 夢見るすべてのことは力を合わせることで実現できると 私達は世界を動かすことができ 地球を変えることができる 人々には力がある 人々には力がある 人々には力がある」