小さな「できる」を積み重ねる

英語上達の最短距離について、小林さんは次のようにアドバイスします。

「小さなできることを積み上げること。とりあえず英語を話してみて、伝わった!という経験をたくさん積み上げることが大切なんです」

小さな成功体験を積み重ねることで自信がつき、さらに学習意欲が高まるというのです。

“出川イングリッシュ”の効果

完璧な英語を目指すのではなく、まずは伝わることを重視するアプローチが効果的だと小林さんは強調します。

「“出川イングリッシュ”のような、めちゃくちゃな英語でも良いんですよ。私はあれが大好きなんです。“出川イングリッシュ”をまず学校で学びたいかも。小学校の授業でやると良いと思います」

さらに小林さんは、コロンビア大学教育大学院で学んだポジティブ・サイコロジー=幸福心理学から「幸せには2種類ある」という話を引き合いに出し、英語学習と幸福感の関係を説明します。

「幸せにはヘドニック・ウェルビーイングとユーダイモニック・ウェルビーイングの2種類があると教わりました。ヘドニック・ウェルビーイングとは、心に嬉しい感情が溢れていて、ネガティブな感情がない状態のこと。ただ、これだけでは人は飽きてしまって、本質的には幸せになれないんです」

「だからもう一つの幸せがすごく大事で、それがユーダイモニック・ウェルビーイング。自分の能力とかスキルを使って、何かを成し遂げた達成感で満たされている状態です。これは飽きるどころか中毒になるんです。私たち大人も小さくてもいいから、ユーダイモニック・ウェルビーイングを得られる瞬間がやっぱり必要で、これを得られた人の顔はキラッと輝くんですよ」

英語学習を通じて得られる小さな達成感が、長期的な幸福感につながるというのです。

しゃべらないのは「もったいない」

英語学習に悩む全ての人に、小林さんはこう呼びかけます。

「完璧な英語じゃなかったら一言もしゃべらないでおきます、というのは本当にもったいない」

完璧を求めすぎず、小さな成功体験を積み重ねることで、誰でも英語が話せるようになると言います。

英語コンプレックスを解消し、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が、英語上達への近道なのかもしれません。