インド政府は次の国勢調査で、社会に根強く残るヒンドゥー教の身分制度「カースト」について調べることを決めました。インドの独立後、初の全国的な調査となります。

インド社会では、結婚や職業などでヒンドゥー教の規範に基づくカーストが深く根付いていて、法律で差別などが禁止されたものの、階級差別や偏見は根強く残っています。

現地メディアによりますと、インド政府は4月30日、新型コロナの影響で延期されていた次の国勢調査で、カーストの所属を尋ねる項目を設けることを決定しました。

カーストについての全国的な調査は、イギリス統治時代の1931年が最後で、1947年にインドが独立してから初めてとなります。

大学受験や就職などにおける差別の解消を目的にしているということですが、インド社会にとってカーストは繊細な問題であるため、波紋が広がりそうです。