コメの高騰がおさまりませんが、実は、コメ不足の要因でもある台風や豪雨に負けない品種があります。安定した収穫が期待されることから、東京の田んぼでも育てられ、約40年ぶりに酒造りが復活した酒蔵もあるんです。
美味しいだけじゃない 台風や豪雨に強いコメ

東京都内に住む大学院生の食卓に並んだのは特別なコメです。
都内の大学院生 小林勇太さん
「粒が大きくて甘くて、ふっくらしていてすごく美味しい。僕の通っている東京農工大学で開発された『さくら福姫』というおコメです」

東京農工大学で開発された「さくら福姫」。3年前に品種登録されたばかりで、今ならではの強みがあります。

東京農工大学 大川泰一郎教授
「最近ゲリラ豪雨も頻発化している。(稲が)倒れると水に穂が浸かって発芽してしまう。品質低下の大きな要因になるので倒れないことは大事。『さくら福姫』は茎を太く硬く改良して強くしている」

コシヒカリと比べてみると、さくら福姫は1本1本の茎が太くなっています。
台風や豪雨によってコメの収穫量が減っている問題を、倒れにくいコメで解決するのが狙いです。こんな特徴も…。
東京農工大学 大川泰一郎教授
「1つの穂につく“もみ”が多いので、収穫量が高くなる。これから重要なところになる」
東京農工大学のある府中市は多摩川流域で江戸時代はコメの一大産地でした。しかし今では、田んぼの数はごくわずか。
「東京でのコメ栽培を次の世代につなげたい」という思いから、大川教授は「さくら福姫」の種を地元のコメ農家に提供しています。さらに…