ロシアのプーチン大統領は、来月9日の対ドイツ戦勝80年の記念日にあわせウクライナとの72時間の一時停戦を一方的に表明しました。

ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は28日、第2次世界大戦でロシアがナチス・ドイツに勝利してから80年となる来月9日の戦勝記念日にあわせ、8日午前0時から11日午前0時までの72時間、一時停戦すると一方的に表明しました。

ウクライナ側も停戦に応じるべきだとしていて、停戦違反があればロシアも適切に対応すると強調しました。そのうえで「ロシアはウクライナ危機の根本原因を取り除くことを目的とした前提条件なしの和平交渉をする用意がある」と主張しています。

プーチン氏は今月20日のキリスト教の復活祭=イースターの際も30時間の一時停戦を一方的に表明していましたが、双方が互いの停戦違反を主張し合うなど不発に終わっていて、今回も停戦が実現するかは不透明です。

ロシアとウクライナの和平交渉が停滞する中、仲介をすすめるアメリカのトランプ大統領がウクライナへの攻撃を続けるプーチン氏について「彼は戦争をやめたくないのかもしれない」などと不信感も示していて、プーチン氏としては新たな停戦を提示することで和平に前向きな姿勢をトランプ氏にアピールする狙いがうかがえます。

これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、夜のテレビ演説で「ウクライナ国民がこの戦争を1秒たりとも望んだことはない。停戦を来月8日とすることで、プーチンの戦勝記念日のパレードに静けさをもたらそうとしている」と非難。そのうえで、「わずか数日間の停戦後に殺りくが再開されてはならない。直ちに、完全停戦を少なくも30日間行うべきだ」と主張しました。