「教団の崩壊」へ… オウム真理教幹部の逮捕

「教団の崩壊」。これに大きく関わったのが石川県内で逮捕された1人の男です。地下鉄サリン事件翌月の4月8日、教団内で「治療省大臣」の肩書を持つオウム真理教の幹部・林郁夫受刑者(無期懲役が確定)が旧・中島町で逮捕されました。

地下鉄サリン事件の捜査が難航する中、林受刑者は自らが実行犯の一人であることに加え、オウム真理教の実態を告白。

その全面的な自供が事件の解明と教団の崩壊に繋がりました。

職務質問した捜査員
「10分や20分ほど、街灯がほとんど無くて、月灯りを頼りにしながら名前・住所、何しに来たかとか聞いたな」

石川県警の57歳の男性警察官。30年前=当時27歳の頃、林受刑者に行った職務質問が、逮捕に繋がりました。

記者
「捜査員が国道を北上していたところ、パトカーに気づき突然空き地へと逃げ込む自転車に乗った2人組の男が現れました」

逮捕前日、1995年4月7日、夜。検問をしていた小隊長の指示によりこの男性警察官ら4人は、国道249号を北上しながら目撃情報のあった不審者を探していました。

職務質問した捜査員
「パトカー見たらすぐに逃げたわね、2人連れで」

穴水町に近い旧中島町の海沿いの道路、近くには、のと鉄道の線路があったといいます。パトカーを見るなり空き地へと逃げ込んだ自転車に乗った2人組。逃げた1人を他の3人が追い、残る1人に対しこの男性警察官が声をかけました。

それが、林受刑者でした。