◇《懲らしめるから…立ち直らせるへ 変わる刑務所の現在地》

浦河での対話という取り組みをヒントに、月形刑務所では、拘禁刑導入に向けた実践が進められています。
刑務官:「本当の反省っていうのは、みなさんにとってどうですか?」
受刑者:「もう絶対ここには戻ってこないと、刑務所には戻ってこないと。一生懸命働いて、社会に還元するということが、今の自分にやるべき使命なんですよね」
刑務官:「今まで失敗しちゃったけど、社会でしっかり生活できるようにしたい…、それが"自分なりの本当の反省じゃないか"ということだよね」
月形刑務所が“当事者研究”の手法を取り入れてから、1年あまり。受刑者の考え方にも変化が見え始めています。
受刑者
「お互いの信頼関係みたいなものが、多少できていると自分は思っているので、その信頼関係を壊さないためにも、2度と再犯はしないと、心に誓っていこうと思うようになりました」

刑務官
「ずっと試行錯誤しながら、決して甘やかすことなく、しかし、ただ厳しくするわけでもなく。本人にとって一番何が最適かを常に考えて、実践していくのかなと思ってます」

まだ、誰も答えを知らない、立ち直りのための新しい刑務所の在り方。北海道で育まれた対話の手法が、その処方箋となるかもしれません。
森田絹子キャスター)
“当事者研究”は、月形刑務所だけでなく、札幌刑務所や北海道外の刑務所でも、取り入れられています。
『浦河べてるの家』の向谷地理事長が、実際に刑務所に足を運んで、受刑者との対話に取り組んでいます。
堀啓知キャスター)
「甘やかしているのではないか」という刑務官の葛藤もありましたが、受刑者がしっかりと罪と向き合い、更生することは、社会で暮す私たちにとっても大切なことだと思います。
“拘禁刑”の導入まで1か月あまりです。HBCでは、今後も塀の中で起きる変化、変わりゆく刑務所のいまを継続的に取材して、お伝えていきます。