警察庁はきょう(24日)、自転車の悪質な交通違反に対して交付される、いわゆる「青切符」について、新たにスマホの「ながら運転」に1万2000円の反則金を設けるなどの道路交通法施行令の改正案を公表しました。
これまで自転車の指導や取り締まりでは、悪質性が低いものについては「指導警告」で対応し、交通事故に結びつくような危険な運転についてはいわゆる「赤切符」を交付して書類送検してきました。
警察庁によりますと、去年1年間の「赤切符」の交付は5万1564件と、この10年間で4倍以上に増加。
しかし、「赤切符」は、調書の作成や違反者の出頭など手続きの煩雑さに加えて、起訴に至らないケースも多く、違反者が罰則を免れる“逃げ得”の状態が課題となっていました。
こうした背景から、増加する違反に対して実効性のある取り締まりを行うため、自転車にも自動車や電動キックボードなどと同様の「交通反則通告制度」、いわゆる「青切符」を導入し反則金を設けることが去年決まりました。
「青切符」の対象は16歳以上。これは、原付バイクなどの免許取得や、電動キックボードの運転ができる年齢で、最低限の交通ルールの知識があると考えられるためです。
警察庁がきょう公表した自転車の違反行為に対する「青切符」の反則金額は原付バイクを参考にしていて、違反内容に応じて3000円から1万2000円となります。
「青切符」の対象となるのは113の違反行為で、▼スマホなどの“ながら運転”が最も高い1万2000円、▼信号無視、逆走、歩道通行は6000円、▼イヤホン着用運転(必要な音が聞こえない状態で運転する行為)や傘差し運転、一時不停止は5000円、▼並んで走る行為や2人乗りは3000円です。
ただ、「青切符」が交付されるのは、▼警察官の指導や警告に従わない場合や、▼危険を生じさせた場合を想定していて、反則金を納付すれば刑事処分は行われません。
警察庁は、113の違反行為のうち信号無視など重点対象行為と位置づけている違反を中心に取り締まるほか、通勤通学など事故の発生が多い時間帯や駅の周辺など事故が起こりやすい場所を中心に取り締まりを行う方針です。
一方、酒酔い運転や酒気帯び運転、事故に繋がるスマホなどの“ながら運転”をした場合などは、これまでと同様に「赤切符」が交付され刑事罰の対象となります。
警察庁は、あす(25日)から来月24日までパブリックコメントを募集したうえで正式に反則金額などを決定し、自転車の「青切符」の導入を盛り込んだ改正道路交通法は来年4月1日に施行される予定です。
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