海底で温泉が湧き出しているとされる竹富島で、島の観光事業者が採取した地下1000メートル分の地質のサンプルが、琉球大学の研究者に贈られました。
地質のサンプルを寄贈したのは、地元企業、竹富島黒潮観光の上間毅相談役で、島の地下1000メートル分の資料が琉球大学理学部の土岐知弘准教授に贈られました。
竹富島から500メートルの沖合では、水深約20メートルの海底で温泉が湧き出しているほか、メタンガスを含む天然ガスが噴き出していて、県内唯一の火山性海底温泉である可能性が高いとされています。
地質のサンプルは竹富島黒潮観光が温泉付き宿泊施設を計画したことに伴い、2017年に行ったボーリング調査の際に採取したもので、海底温泉のメカニズム解明に近づく貴重な資料だということです。
地質サンプルを受け取った土岐准教授は「貴重な資料が膨大にあるので、これからの研究に役立てたい」と礼を述べていました。
▼琉球大学 土岐知弘 准教授
「(分析すると)火山性の鉱物がどの地層に入っていてどういう時代に火山活動があったのかが分かる。これから先いつそういうことが起こるのかということを予想したり、この島がどうやって出来たのかということもメカニズムの解明につながります」
土岐准教授は、この資料を活用して火山活動が確認されていない竹富島周辺の地域に火山性温泉が湧き出る謎を解き明かしていきたいと話していました。