山口県宇部市の長生炭鉱が水没した事故を巡り、犠牲者の遺骨収集に向けた調査が進められています。

遺族への遺骨返還を目指す市民団体は、次の調査に向けて日本政府へ支援を要請しました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子 共同代表
「本当に素人の人力で頑張ってきているわけですけども、やはり今こそ政府の技術的な支援、財政的な支援が必要な時期が来ていると」

「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が厚生労働省と外務省に遺骨収集調査への支援を要請しました。

太平洋戦争のさなか、宇部市の長生炭鉱は坑道の天井が落ち水没しました。

183人が犠牲となり、遺骨は今も海底に眠ったままです。

調査への支援要請に対し、厚生労働省は「専門的な知見が必要で、計画の詳細を聞いて対応を検討していきたい」と前向きな姿勢を示しました。一方、現地視察などの求めに対しては、「安全性に懸念があり対応可能な範囲を超えている」「視察する段階にはない」と回答。

刻む会や参加した国会議員からは、「安全性の懸念をなくすための現地視察だ」などと声が上がりました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子 共同代表
「皆さん一緒にやってきたこの努力、遺骨に対する誠意、それはこうした大きな流れを作り出していくことができた。これからは国に誠意を見せてほしい」

刻む会は6月に、炭鉱の排気筒・ピーヤから遺骨収集を目指した潜水調査を行う予定で、必要な資金を集めるクラウドファンディングを始めました。