タクシーのドライバー不足の解消に向け、警察庁はきょう、タクシーなどの運転に必要な普通二種免許の取得について、教習カリキュラムを見直し、取得期間を大幅に短縮する方針を明らかにしました。

国土交通省によりますと、2022年度のタクシー事業の運転者数は24万1951人と、それまでの10年間でおよそ3分の2にまで減少し、人手不足が問題となっています。

警察庁はきょう、タクシーなどの運転に必要な普通二種免許の取得について、現在の学科教習や技能教習のカリキュラムを見直し、取得に必要な期間を大幅に短縮する方針を明らかにしました。

インバウンド客が多い観光地や過疎地域におけるタクシー不足解消を目指す一環で、普通二種免許を取得する負担を少しでも軽減する狙いがあるということです。

警察庁は、去年9月に交通専門家らによる有識者検討会を設置し、時限数を減らした実験教習カリキュラムを2パターン作成。10代から60代の男女30人に対して実験教習を行い、現在の教習を修了した人と同じ程度の運転知識や技能を習得できるか調査しました。

実験の結果、学科教習は2時限、技能教習は9時限短縮しても合格率に差はないと判断され、これにより、教習日数は現在の最短6日間から3日間に短縮されることになります。

普通二種免許の取得には、普通自動車免許の取得が必要で、新たな教習カリキュラムでは、普通自動車免許の教習内容と重複する、▼「基本的な運転操作」、▼「運転姿勢」、▼「坂道の通行」の項目を削除するなどして効率化を図るということです。

カーナビや地図アプリの普及に伴い、目的地までのルートを覚えて運転する技能教習も二種免許取得時の教習カリキュラムから削除されるということです。

警察庁は、あすから来月17日までパブリックコメントを募集したうえで正式に決定し、今年9月1日に施行する方針です。