ロシアがインドネシアに対し、東部パプア州にある軍事基地の利用を要請していると報じられました。周辺国からは、ロシアによる影響力の拡大を警戒する声が上がっています。

国際軍事情報専門誌の「ジェーンズ」は、ロシア政府がインドネシア東部パプア州にある空軍基地にロシアの軍用機の駐留を求めていると報じました。

今年2月に行われた、ロシアのショイグ安全保障会議書記とインドネシアのシャフリ国防相の会談を受けて、正式に要請されたということです。

この報道について、インドネシア国防省の高官は地元メディアに対し、「真実ではない」と否定しています。

一方、周辺国からは、ロシアの影響力の拡大を警戒する声も上がっています。

オーストラリア アルバニージー首相
「我々は明確に、この地域でロシアの影響力が広がることを望んでいない」

オーストラリアのアルバニージー首相は15日、このように述べたうえで、インドネシア側に説明を求めていることを明らかにしました。

インドネシアは、伝統的にどの陣営にも属さない全方位外交を掲げていますが、去年10月にプラボウォ大統領が就任した後は、ロシアとの間で初めての軍事演習を実施。ロシアや中国が主導する新興国の枠組み「BRICS」に東南アジアで初めて加盟していて、ロシアに接近しているとの指摘もあります。