病気や障害などで体を思うように動かせない人の生活を助ける道具「自助具」の開発に取り組む岡山市の大学生が、市内の工業高校で講演を行いました。高校生に伝えたのは、「相手を思いやり行動に移す」ことの大切さです。

「できていたことが突然できなくなってしまったという、もどかしさや悔しさを感じて自助具に目をつけてみた」

岡山大学工学部に通う18歳、原深唯(はら・みゆい)さん【画像①】です。東岡山工業高校の生徒840人に向け、「ものづくりへの思い」をテーマに講演を行いました。

【画像①】原深唯さん

原さんが開発しているのは、自助具。けがや障害など様々な理由で体が思うように動かせない人の日常生活を助けるための道具です【画像②】。

【画像②】

(原深唯さん)
「こちらが『なっとうさん』【画像③】。阿吽の呼吸で納豆を支えてくれる自助具です」

【画像③】

けがをして片手を思うように動かせなくなった経験から制作に乗り出したという、こちらの自助具は片手で納豆を食べられるというもの【画像④】。その発想力とデザイン性が評価され、数々の賞を受賞しました。

【画像④】

若き発明家として注目される原さん。「人に優しい自助具」の開発を目指し、今、大学ではデザインを学んでいます。自身と同じ、ものづくりを志す工業高校の生徒たちに伝えたのは、「相手を思いやる気持ちからアイデアが生まれる」ということ。そして、「アイデアを形にしていくことの大切さ」です。

(岡山大学工学部1年生 原深唯さん)
「困っている人の話を聞きながら一緒に福祉をつくっていきたい。障がいがあっても『楽しい』『できる』と思える世界にしていきたい」

(参加した生徒(3年生))
「ひとつひとつの身近なアイデアがバリアフリーを支えている大切なことだと気付かされた」

(参加した生徒(2年生))
「不便や疑問を、行動して解決しようとしている原さんの姿が、工業生として見習わないといけないなと」

お互いを思いやり行動に移すことができる、優しい社会をつくりたい。原さんは、自らと同じ世代に向け、「ものづくり」の可能性を訴えます。

(岡山大学1年生 原深唯さん)
「動いていかないと見つからないことはたくさんある。やってみないと分からない楽しさもある。ぜひ高校生活を通して見つけてもらえたら」