アメリカのトランプ政権がきょう発動させたおよそ60か国に対する相互関税の第2弾。影響はEU内のフランス産ワインにも出ています。
フランス東部のブルゴーニュ地方。世界有数のワインの産地として知られています。
ジャンヌ・ドロネーさん
「こちらはブルゴーニュの伝統的な地下倉庫で、上がアーチ状になっているのが特徴的です」
この地で代々130年以上、ワインの製造・輸出をしてきたドロネーさん一家。最大の取引先はアメリカで、輸出のおよそ3割を占めていますが、関税の引き上げは「誰も得しない」と厳しく批判します。
ジャンヌ・ドロネーさん
「私たちは輸出が減りますし、輸入業者や小売業者も売り上げが減ります。そして消費者にとっても価格が上がるので、得する人は誰もいません」
トランプ政権がEUに課した相互関税は20%。ワインは価格がわずかに上がるだけで、売り上げに影響すると訴えます。
ローラン・ドロネーさん
「アメリカで1本25ドルで販売されていますが、相互関税で30ドルに引き上げられるでしょう。30ドルになれば、輸入業者は代わりに25ドルのものを仕入れます」
すでにアメリカの輸入業者と「誰が関税を負担するのか」、水面下で交渉が始まっているといいます。
ローラン・ドロネーさん
「輸出量を減らすのか、価格を下げるべきか、難しい判断を迫られています。アメリカに向けた売り上げは25%減少すると予想しています」
さらに…。
記者
「こちらは出荷を待つワインがずらりと並んでいますが、アメリカへの出荷は関税がはっきりしないということで、半月近く停止しているということです」
先月、EUが打ち出した報復関税に対し、トランプ大統領が「EU産のワインなどに200%の関税を課す」と脅したことで、先行きが不透明となり、アメリカへの出荷が停止してしまったのです。
一連の関税に対して、EUは15日にも報復関税を発動する方針です。
EU フォンデアライエン委員長
「ヨーロッパは良い取引を常に歓迎しています。ただ、対抗措置で私たちの利益を守る用意もあります」
フランス産ワインはアメリカが最大の輸出先で、相互関税が続けば、蒸留酒も含めると輸出額が年間でおよそ1300億円減少すると試算されています。
ローラン・ドロネーさん
「長期的には、倒産したり、営業できなくなったりして、フランスワインが衰退する可能性があります」
2、3週間後にはアメリカへの出荷が再開されるといいますが、果たしてワインは売れるのか、不安は続きます。
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