アメリカのトランプ政権が相互関税の税率などを示したことで世界中に激震が走っていますが、中国には、今回の発表により大きな打撃を受けている「村」があります。
記者
「こちらのエリアでは、洋服の工場がいくつも並んでいます。ミシンなど作業の音がひっきりなしに聞こえてきます」
狭い路地の両側に並ぶ小さな縫製工場。作りかけの洋服が山積みになっています。
中国南部の広東省広州市にあるこのエリアは、1000軒を超える縫製工場がたち並び、世界中で販売を行う中国発のアパレル通販サイト「SHEIN」の商品を製造している企業が多いことから「SHEIN村」と呼ばれています。
去年までは活気にあふれていたというこの村の景気は今、急速に落ち込んでいます。
縫製工場の従業員
「(受注が)60%から70%くらい減りました。今は多くの工場で仕事がないです」
その原因はアメリカのトランプ政権にあります。
アメリカ トランプ大統領
「(中国に対し)我々は34%の相互関税を課すつもりだ。彼らが我々に(関税を)課しているので、我々も彼らに課す」
トランプ政権は先月、中国からの輸入品に対する追加関税を20%に引き上げるとしていましたが、今回、中国に対し、34%の「相互関税」を課すと発表。
さらに、中国から輸入される800ドル、およそ12万円以下の小包に対する関税免除措置を来月2日から廃止するとしました。
こうした動きのなか、関税免除を利用して、中国から早く安く輸出するビジネスモデルで急成長を遂げてきた「SHEIN」などの通販サイトは最近、関税を回避するため、生産拠点を中国以外の国に移しつつあります。
「SHEIN村」の縫製業者は…
縫製業者
「SHEIN向けに製造していますが、SHEINからの注文が無くなってしまいました。関税の影響が非常に大きいです。去年までは仕事がたくさんありましたが、今年はほとんどありません」
縫製工場の従業員
「(企業は)どんどんベトナムなどに移転しています。あちらは人件費が安いですから」
外国に生産拠点を移転する企業もある一方で、打開策がみつからない多くの工場では不安が広がるばかりです。
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