「涙をポロポロ流し『久々に会えた』って言うんです」
事情を聞いた後にお客さんが持ってきた映像を見るのが、山口さんの一番の楽しみです。
(山口社長)
「『大丈夫?痛くない?』とか(映像内のやり取りを)聞いていると、よっぽど可愛いんだなって思いますよね。みんな道は違えど、生きてきたんだなと思いますよね」

街の電気屋さんを営んでいた山口さんがダビング専門店を立ち上げたのは、約20年前。きっかけはある8mmテープを持ってきたお客さんとのやり取りからです。
(山口社長)
「『ここ(フィルム)の中に、うちの夫がいるから』って言うんだよね。『夫にぜひ会いたいので何とか見られないだろうか』って。ビデオにしてあげた。(映像の中の)旦那さんを見た時に、涙をポロポロ流して見ていたんですよ。その時に『あ、映っている』って言うかなと思ったら、『久々に会えた』って言ったんですよ。今までないなぁ。『こういう仕事がしたいな』って思ったのが始まりですよね」

この日最後に訪れたのは、数日前に大急ぎで注文をしてきた20代の女性。
(20代女性)
「ビデオができるって両親に話したら、『良かった良かった』って言っていた」
テープは2本。中身は女の子の何気ない日常が。ダビングを急いだのには理由がありました。
