経済同友会の櫻田代表幹事は急速に進んでいる円安について「日米の金利差だけでなく、日本の経済力と国力に起因するものが少しでもあるとすると大変心配」と懸念を示しました。

経済同友会 櫻田代表幹事
「円安のメリットデメリットを総合すると、やはりデメリットの方が多い。より心配なのは、この円安というのは単に日米の金利差、あるいは根本にあるアメリカのインフレーションに基づくものだけではなくて、日本の経済力と国力にもし起因するものが少しでもあるとすると大変それは心配」

この上で、櫻田代表幹事はイギリスのトラス政権が打ち出した経済対策をきっかけに、ポンドが急落したことを例にあげ、「同じことが絶対に日本に起きないという保証はないということを意識して為替を見なくてはいけない」と指摘しました。

一方、賃上げについては、物価高が進む中で「一定程度、補填する意味を含めて賃上げは必要」とし、その上で、賃上げの議論の中では例えば、3%の賃上げを行う場合、その企業がどれくらい生産性を上げなくてはいけないのか、という議論もあってはいいのではないか、と指摘しました。

また、特に円安で収益が上がった企業の賃上げについては「自らの企業で働いてくれている社員の価値をどう見ていくかということでベストを尽くされるべきと思う。還元できるところは還元すべき」と話しました。