生産工学・技術の分野で優れた業績を収めた企業などに贈られる「大河内記念技術賞」を、岡山市に本社を置く医療機器メーカー“帝人ナカシマメディカル”が受賞しました。受賞したのは、どのような技術なのでしょうか?

(帝人ナカシマメディカル 中島義雄会長)
「(大河内記念技術賞は)著名な賞なので、いただけたということは本当にありがたい。開発にかかわった社員や先生にとって、いい励みになったと思う」

大河内記念技術賞は、生産工学・技術の分野で優れた業績を顕彰する賞で、東京帝国大学の教授を務めた大河内正敏氏を記念し、1954年から実施されています。今回、帝人ナカシマメディカルが受賞した技術というのが…。

「脊椎の固定に使う“脊椎デバイス”なんですけど、『Unios PL Spacer』という製品になります」

脊椎の骨は頭から足の方向に繊維が規則正しく並んで構成されています。従来、傷付いた脊椎の治療で使われていた器具では、修復に時間がかかる上、再生後の強度が低いという問題がありました。そこで、新たに開発されたのがこの器具だといいます。

(帝人ナカシマメディカル 高橋広幸さん)
「(骨の構造というのが)木目状のような構造を持っているんですね。この構造を反映させて、中にあるスペーサーの構造を作りこんでやると、自然に骨が中に入ってくる。実際に骨がよく入ると、長期でも安定してそこが一体化されて痛くない」

9年あまりの年月をかけて完成した技術だといいます。立ち上げから見守ってきた中島義雄会長は今後も様々な医療器具を世に送り出していきたいと話します。

(帝人ナカシマメディカル 中島義雄会長)
「長い時間をかけた結果がいい評価を受けたというのは、(開発を)やっている人間にとっては嬉しい事なので、これをきっかけにまた新しいものに取り組んでいきたい」