シリーズでお伝えする『新潟市政の課題』。
今月23日に投開票が行われる新潟市長選で争点の一つになっているのが街の賑わいづくりと活性化です。市民が選挙に託す思いを取材しました。
新潟市長選に立候補しているのは届け出順にいずれも無所属で現職の中原八一(なかはら やいち)さん63歳と、新人の鈴木映(すずき えい)さん35歳です。
77万人が暮らす政令市・新潟市。他の自治体と同様、人口減少が進み、まちの活性化が大きな課題の一つとなっています。
【中原八一候補】「観光や交流人口を進めるためには、この新潟駅のリニューアルや、新潟駅周辺の整備は欠かすことができません。『にいがた2km』、さらに賑わいのあるエリアに発展をさせて参ります」
現職で2期目を目指す無所属の中原八一さん。第一声の場所に選んだのはJR新潟駅前でした。中原さんは新潟駅のリニューアルはまちづくりの大きな「転換期」ととらえ、「にいがた2km」を新潟の活力向上に向けた「成長エンジン」にしたいと訴えています。
【中原八一候補】「きょうはたくさんね、万代シティに出てすごいね。皆さんが楽しんでいる姿が一番ですね」
この日は、3連休で賑わう万代シテイで支持を訴えました。中原さんは市独自の支援制度でビルの建て替えや、デジタル化に対応したオフィス整備を後押し、企業誘致につなげたい考えです。
【中原候補街宣】「賑わった勢い、元気をこの中心部だけでなく、8区全域にその影響をいい影響を及ぼしていきたいというふうに思います」
一方こちらは、新潟市中央区の古町エリア。大和、三越と街の灯が次々と消えかつての賑わいを失っています。
【鳥半商店 高橋雄一さん(62)】「いろいろここ、までもね、市長さん古町地区っていうのは活性化のためにやっていただいたとは思うんですけれど、なかなか思うような結果が出ていないので」
古町で創業して100年以上の鶏肉店は、古町のこれからの姿は、政策次第で変わっていけるのではと期待しています。
【鳥半商店 高橋雄一さん】「どんなふうにしていくかっていうのは私も漠然として分からないのですが、いいアイデアがあれば是非選挙期間中に出していただいてね」
古町エリアの商店街らで構成する新潟中心商店街協同組合は、新潟駅のリニューアルに期待を寄せる一方で古町の活性化のためには新潟駅前や万代と差別化を図り古町らしさを磨き上げる必要があると考えています。
【新潟中心商店街協同組合 前川周作理事長(52)】「例えば若い人がお店を始める創業支援とか、昔からある古町花街といった歴史文化を感じ取れるような街並みづくりとかそういう取り組みを考えていただきたいなと」
古町の活性化について中原さんは…
【中原八一候補】「三越の跡地についても再開発の計画もあり、今おっしゃったようにこの3つ(駅前・万代・古町)を更に相乗効果で発展させていくためにも、古町の活性化は大事だと思いますので、当選させていただいたらぜひその相乗効果を作るべく努力をしていきたい」
一方、無所属の新人 鈴木映さんが訴えているのは『8つの行政区の特色を生かした街づくり』です。
【鈴木映候補 第一声】「企業誘致中心の『新潟2km』という事業強調していますが、2kmという範囲大変狭い、考え方も狭い、そういう風に思いませんか?」
鈴木さんは、8区それぞれが街づくりを進めるために区役所の権限や予算を拡充することが重要だと考えています。
【鈴木映候補】「江南区としての産業、地場産業や中小業者のみなさん。活動や文化それを発展させられるそういう街づくりを目指してまいります」
鈴木さんは、中心部以外の声も市政に反映させたいと、住宅街を中心に支持を訴えています。
【鈴木映候補】「曽野木の方は農業なんかが発展していますし、亀田の地域は結構新興住宅があると思っているんですけれど、江南区の皆さんの要求をしっかり市政に反映できるようにしていきたい」
新潟駅から13キロほど離れた新潟市秋葉区の新津駅前。
平日ということもありますが、シャッターが閉まった店が目立ちます。
秋葉区の住民は市長選について…
【秋葉区民 80代】「垢ぬけた場所にしたいな。こっち(秋葉区)まで手を伸ばしてください」
【秋葉区民 60代】「昔から鉄道のまちなので、鉄道のイベント1年間で数回やっているんだけれども、PR不足なのかな」
また、住民からは区バスなど公共交通の充実を求める声が上がりました。
【秋葉区民 80代】「(車の運転を)やめた後のことを考えるとものすごく不便、不安です。歩いていけるところに店があるといいねって」
「バスの本数は?」
【秋葉区民 80代】「あんまりないけれど。今1時のバスで帰ると(次は)4時半までない、夕方の…電車も通っているけどバス途中で結構降りる人いますからね、区バスは」
こちらの女性は1日3本しかないバスで買い物に行っています。
鈴木さんは公共交通の充実のためにBRT計画を見直し、区バスや住民バス、デマンド交通など地域の生活交通の充実を進めたいとしています。
【鈴木映候補】「住んでよかったなと思える新潟市をつくること、そのこと自体が経済の発展につながると思う。『2km』ではなくて、新潟市およそ700平方キロメートルそれぞれの地域で安心して暮せてみんなが活発に活動ができるそういう新潟市を目指していきたい」
街づくりの将来は誰に託されるのでしょうか。
新潟市長選は23日投開票です。
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