東日本大震災 障害者の死亡率は2倍

東日本大震災で障害者の死亡率は、住民全体のおよそ2倍にのぼったとされています。

久留米市での訓練に参加した杉山准教授は障害者の死亡率が上がる要因として「避難に対するイメージが十分に醸成されていないことが一因だ」と指摘します。

九州大学(防災心理学) 杉山高志 准教授
「障害があったために災害時に避難することをためらってしまったりとか、避難するのに時間を要してしまったりとか、そういった問題が多くあります。さらに多くの問題を持ってしまっているがために、いわゆる災害時関連死というものですね。そういうものにもつながる方もいました。そういった意味で命を守る、そして命をつなぐ、あらゆるフェーズにおいて災害時要配慮者の問題は非常に大きいと考えています」

非常事態で取り残される人を出さないため

こうした中、佐賀市で3月、日常的に人工呼吸器などが必要な「医療的ケア児」の避難訓練が開かれるなど、各地で取り組みが始まっています。

九州大学(防災心理学) 杉山高志 准教授
「災害時要配慮者の方々の避難をいかに安全に、そして迅速に行うのかということが犠牲者ゼロにするための大事なキーワードであるというふうに言えます」

災害という非常事態でも取り残される人を出さないためにどう避難すればいいのか、模索が続いています。